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AUCTION
マルクト軍には軍の特別機密として人身売買のオークションが存在する。
これは一般兵にはほとんど知られていない事実。官僚の、しかもごく一部の人間にだけ周知されている。
商品は兵士のカタログの中から幹部たちのリクエストによって調達する。もちろん調達とは誘拐のこと。
彼らはどんな手段を使ってでも商品を手に入れる。
「…ふむ…この資料ですか…」
ジェイドが珍しく困った顔で書類を見つめている。彼の側には戸惑いを隠せない表情の兵士が一人控えている。どうやら哀れな彼は偶然すれ違ったという理由だけで、軍部の官僚から、ジェイドに資料を探すよう伝える役目を仰せつかったらしい。
そわそわと落ちつかなげにジェイドの言葉を待っている兵士を尻目に、しばらく書類を見つめていたジェイドは、おもむろに立ち上がると、
「確かにこれは私でないと探せませんねぇ。」
行ってきます、と軽く片手を挙げ資料室へと向かった。
建国当初からの情報がすべてこの部屋に収まっているのではないかと思うほどに大量の資料で埋め尽くされたマルクト軍の資料室。
この中でたった一つの情報を得るのは不可能に近い。実際今探している資料など何のために使うのか皆目検討も付かない。ただ探し損になるのでは、ならば今すぐにでもこの作業をやめてしまいたい。そんなことを考えてしまうほどに気の遠くなりそうな作業。
それでもジェイドは黙々と棚を探し続ける。
「…おや?」
微かな喜びを含んだ声でジェイドは一つの書物を引き出す。それはまさしく彼が探していたもので。
中身をパラパラと確認するため中身をめくろうとしたその瞬間、ジェイドはシューという小さな音が部屋のあちこちからするのを耳の端で捕らえた。
「…?」
けれどその音の正体を確認する間もなく、ジェイドはその場で意識を失ったのだった。
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ふわふわと揺れるような感覚。体の力が入らない。これは夢か現か。
どこか遠いところで音を感じる。
はっと意識を取り戻したとき、あたりは暗く、何も見えなかった。資料室で倒れるところまでは覚えていたため、そのまま夜まで寝てしまったのかとも思えるほどに。
しかし、何かがおかしい。目を何かが覆っている。口を何かボールのようなものがふさいでいる。
音が、耳障りな音がする。否、音ではない。人の声だ。
そこまで考えたとき、ジェイドは自分の身に何が起こったのかを素早く考えた。しかし、いくら考えてみたところで、この状況が、何故自分が目隠しをされているのか理解できるわけもなく。
槍を出そうとしてみても、なぜか出ない。それどころか、腕は何か金属で固定されているし、足も枷のようなもので大きく開かれて固定いるらしい。
目を閉じた状態での身体感覚に自信があるわけでもないが、それでもわかってしまった己が置かれている状況。少なくとも肌には、ただ一枚申し訳程度に自分のインナーがかけてあるだけのようで。軍服の感覚はもちろん、下半身を包むはずの衣服の感触が一切ない。
一体自分の身に何が起こったのか。全く理解できない恐怖。
今は戦時中でもなければ、危険な地域にいたわけでもない。ただ城の、自分がよく知った城の資料室にいただけなのに。
落ち着け、と自分に言い聞かせ、ジェイドは神経を研ぎ澄ました。
するとジェイドは、今まで気付かなかった事実―辺りには大勢の人の気配がすることに気付いた。ざわざわとした人の声。近くに多くの人がいるらしい。そして、自分を舐めるように見つめているであろうことにも。
「No,12の剃毛を始めます。皆様前にお越しください。」
一際大きな声が聞こえた。一体ここはどこなのか。全くもって想像が付かない。
何者かが近寄る気配にジェイドはハッと顔を起こした。
「おや?お目覚めですか。」
何者かが声をかける。年齢は不詳。性別は男。
「暴れないでくださいね。あなたを傷つけたくはありません。」
男は優しく耳元で囁くと、ごそごそと何かを取り出し。ジェイドの下肢に冷たいものを塗りつけた。
「?!!!!」
その感触に思わず身を捩ると、さもおかしそうに男が笑って。
「動かさないでと言ったでしょう。今はまだ大丈夫ですが次に動かすと、あなたのコレを誤って切り落としてしまうかもしれません。」
ふにゃ、と柔らかいジェイドの性器を指ではじくように軽く叩き、再び何かを性器付近に塗りつけていく。
「…?」
全く理解できない男の行動にジェイドはただ身を硬くしているしかなかった。
「…さてこれからは本当に動かないでくださいね。」
そういうと、シャッシャッと金属の擦れる音を立て。ジェイドの下肢に何かを当てた。
シャリ、シャリ
一定のリズムで音がする。音がした先からスウスウと冷えた空気が下肢を刺激して。時折チャプ…と水音がする。
ジェイドは男が今自分に何をしているのか理解し、信じられない思いで身を硬くし、羞恥と屈辱に震えていた。
ジェイドの陰毛を全て剃り終えたのか、男の気配が遠ざかり、変わりに別の、大勢の人が自分を見つめているのを感じる。
息を呑む音、咳払い、様々な気配がジェイドの周囲を取り囲む。
その舐めるような視線に、ジェイドの、隠すものが何も無くなった雄が少しだけ主張した。
「では***万ガルドから始めたいと思います。」
声と共に、会場がしんと静まり返り。
ただ司会と思しき男の声だけが会場に響いた。
カーン
突然小気味よい鐘の音が鳴った。
「No,12、あちらの男性に落札されました。」
声と共にジェイドの体がふわりと空に浮き。ジェイドは座っている椅子ごとどこかに連れて行かれた。
パタン、と扉の閉まる音。
椅子のまま連れてこられた場所は一体どこなのか。手足と椅子とを拘束していた器具を外され、無理やり立たされる。
しかし相変わらず手錠と足枷で手足の自由を奪われたまま。ふらふらと立っていると、ジェイドは何者かにひょいと担がれた。
そんなに軟弱な体をしていない自分を軽々と担いだのだから男に違いない。今の状況からわかることは悲しいかな、それだけであった。
ドサリ。
突然体に衝撃が走った。ベッドの上に放りだされたらしい。
「っ!?」
男はジェイドをベッドに投げ出すと、そのまま両腕を頭上に上げ、手錠のようなもので固定し、次に足首を掴むと、まるでM字を描くように開き、そこで固定した。
全く予想していなかった事態に、ジェイドが驚き体を捩るのも構わず、男は服をするすると脱がせていく。軍服はオークションの会場で脱がされていたらしい。黒のインナー
の前を開くと、その白い肌が外気にさらされて。男は無言でその肌に手を這わせると、突然胸の突起を捏ね繰り始めた。
「ッ?!!!!!」
突然の刺激にジェイドの身が思わず跳ねる。指の動きから逃れようと身を捩るも、手首を固定している手錠のガチャガチャという耳障りな金属音だけが虚しく響いて。
「んー!!!!!んーーーーー!!!!!」
その指の動きに少なからず感じてしまっている自分が信じられない。
静止を求めようと声を出してみるも、くぐもった音がボール越しに漏れ出るばかり。
ボールに空けられた穴からは自身の唾液がダラダラと垂れ、首筋を伝う。冷やりとしたその感覚に背筋が粟立った。
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突然、口から違和感が消え去った。男がボールを外したためである。
ジェイドはその瞬間ゲホゲホと咳き込み、溢れる唾液を咥内から吐き出した。
「ッ…はッ…何故こんな…!!」
抗議しようと言葉を発した瞬間、今度は生暖かいもので唇をふさがれ。ジェイドはそれが男の唇であると理解するのに数秒を要した。
ねっとりと唇を吸われ、歯列をなぞられればそれだけで体が震える。唇が離れたかと思えばまた吸い付き、舌を絡めとられて。
いかにも慣れたそれは、ジェイドの弱い部分を掠めては離れる。焦らされるようなキスにジェイドは無意識に身をくねらせた。
「?!!!!」
口移しで何か苦いものが流し込まれる。吐き出そうとしても唇を塞がれているためそれも叶わず。結局相手のそれと、自らの溢れる唾液によってジェイドの喉に液体が流し込まれていった。
熱い。体の奥が焼けるように熱い。
突然身の内に起こった変化にジェイドは驚き怯える。しかしどんなに焦ってみたところでその変化は変わらない。それどころか益々熱は高くなって。
「…な、なにを…?」
言った先から体が熱くなる。この感覚は以前体験したことがある。陛下に騙されて飲まされた媚薬のような―…。
「ッ…び、やく…?」
意識したことでその効果を余計に発揮したのかと思うほどに体が熱を帯び。その変化は直ぐに自身へも伝わって。見えなくてもわかる。徐々に自身が熱を孕み、ゆっくりとその鎌首をもたげているのが。
男は無言でジェイドの主張を始めたそこを掴むと、乱暴に擦りあげた。
「ひぅ!!!!!!やめっ!!!!!!ッぅ!????」
抗議の声を上げたところで、再び口にボールが押し付けられ。顔を背けようと暴れてみるも虚しく、有無を言わさず装着された。
そして再び局部への荒々しい、早く限界を迎えさせるためだけの愛撫が再開された。
指先が先端の弱い部分をグリグリと刺激するたびにビクンビクンと体が跳ね、そこはより一層硬度を増す。ジェイドは自身からじわじわと先走りの液が漏れ出ているのを感じて、羞恥に身を捩る。しかしがっちりと固定された体は彼の痴態を隠せるほど動かせず。
「んー!!!んーーーー!!」
悲鳴とも、嬌声ともとれる声がボール越しに漏れ出る。
目隠しと媚薬の相乗効果なのだろうか。普段から敏感ではあったのだが、さらに敏感になっている肌は指の僅かな動きにさえ素早く反応して。
手の動きに合わせるように跳ねる体が、完全に出来上がりフルフルと震える彼の雄自身が、少なからず感じていることをまざまざと物語る。
ダラダラと涎をたらす自身にはそろそろ限界が近づいてきているようで。それを敏感に察知したのか、手の動きが素早く、ジェイドを追い詰めるものへと変化した。
「んーー!ッ!!!」
指先が先端の割れ目を刺激した瞬間、ジェイドの雄は弾け、ドプと白濁の欲望を吐き出した。
指先が蕾の周囲をノックする。確かめるようにトントンと押してみたり、周囲をぐるりとなぞってみたり。
達したばかりの敏感な体はその刺激に激しく反応する。
体に刻み込まれたピオニーの、そこへの愛撫を思い出しジェイドの蕾は意図せずしてヒクヒクと何かを求めるように蠢いた。
ひだを揉み解すように丹念に何かが塗り籠められる。恐らく、先ほど自分が放った精だろう。外気に触れて既に冷えたそれがジェイドの体にまたも火をつける。
自分でも浅ましいとは思うのだが、媚薬によって淫乱に開発された体は貪欲に快を求めて。束縛された不自由な体をゆらゆらと揺らしているのは意識なのか無意識なのか、本人にもわからなかった。
「!!!!」
突然ジェイドの体がびくりと跳ねる。突然局部に冷やりとした金属の感触を感じたからだ。
蕾に押し当てられたそれが、徐々に体内に埋まっていく。人間の体温とは違う、その冷たさを体内から押し出そうとジェイドは下半身に力を籠めた。
しかし、それの侵入を止めるほどの力は持ち合わせておらず。それはするすると体内を犯していく。
幾分か入ったところで、ジェイドは突如痛みに襲われた。恐らく侵入してきたモノは先細りになっているのだろう。これ以上入らない、その位置でそれの侵入は止まった。
ほっと息を付くまもなく、ジェイドの下肢は激しい痛みに襲われ。
モノは恐らくは肛門鏡。そこを拡張させるのを目的としたその口がギリギリと開くのに従って、ジェイドの下肢は引きつるような痛みに支配された。
「ぐっ!!ぐ…!ぅ!!!」
あまりの痛みに、思わずくぐもった悲鳴が漏れる。
普段ピオニーとの情事で慣らされていたとはいえ、異物挿入の痛みは激しく。視界を奪われた状態で得体の知れないものに体を犯される恐怖と、あいまって、ジェイドの体感する痛みは更に激しいものとなって彼を襲う。
不意に違和感が無くなった。
突然の喪失感にジェイドの孔穴がヒクヒクと震える。
数秒後、先ほどまでとは格の違う、熱く猛る男の肉棒がズン、と突き入れられた。
「んーーーーーー!!!!!」
声にならない悲鳴をあげ、ジェイドは身を捩らせる。ただ入り口を拡張されただけで全く慣らされていないそこは、男のそれを受け入れるにはまだ早く。引きつるような痛みと、喉までこみ上げてくるような圧迫感にジェイドはただ声を上げて耐えるしかできなかった。
まだ体に馴染んでいないそれを無理やり動かされ、激しい痛みが全身を包む。
摩擦によって亀裂が生じてしまうのではないかと思うほどの痛み。
しかし、男のカリが確実にポイントを突いているため、痛みの奥に震えるような快感が芽生え始めた。
やめてくれと懇願することも、この舌を噛み切って死ぬことも許されず、痛みと打ち震えるような快楽が同居するこの状況で、ジェイドの理性は徐々に狂い始めて。
既に体が感じるこの感覚が痛みなのか、それとも快楽なのか、彼には区別することすらできなくなっていた。
ぼんやりとした意識の中でジェイドはある違和感を感じていた。
それは、この体の感覚はどこかで知っている、ということ。扱いこそ乱暴だが、自分の体内で暴れるこの熱の感覚は…。
しかし確認しようとも、言葉を封じられているため確認する術が無い。
それに。全く見知らぬ男から暴行を受けているという事実を忘れたいがために体が、心が勝手に感覚を擦り替えているだけなのかもしれない。
今はただ何も考えず、相手の動きに翻弄されていさえすればいい。
こんな風に考えてしまうのは媚薬のせいかそれとも壊れた理性のためなのか。
絶頂に上りつめては、休む間もなく体を犯される。そんなことが幾度と無く繰り返され。
ジェイドは体を繋げたまま意識を手放していた。
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うっすらと目を明けると、そこは見慣れた自分の家だった。普段と変わらない光景にジェイドは安心して瞳を閉じる。
ぼんやりと先ほどまで見ていた夢を思い出しまだまだ自分も若いと苦笑する。
―…夢?
ジェイドはベッドから跳ね起きると、恐る恐る自分の下半身に目をやった。
「ッ!!!!!」
昨日まではあったはずの陰毛が全て剃られていて。夢ではなかったことをまざまざとジェイドに物語る。
そういえば体の節々や、特に下半身に痛みを感じる。
絶望にも似た思いを抱きつつ、昨夜の疑問に答えを出すためジェイドは身なりを整えとある場所に向かった。
「…失礼します。」
声が動きが、普段より強張るのはこの際仕方が無い。
震える体をどうにか抑え、ジェイドは扉を開いた。扉の先には。
「おぉ!朝っぱらからどうしたジェイド!」
部屋の主は嬉しそうに声を発した。彼はちょうどペットのブウサギに餌を与えていたようだ。
「いえ…つかぬ事をお聞きしますが…昨夜はどちらへ?…陛下。」
ピオニーの体が一瞬震えたように見えたのは気のせいだろうか。
「どこへってお前…この部屋でこいつらと遊んでいたに決まってるだろう。それともなんだ?お前は俺がどこかに行っていたとでも言いたいのか?」
自信満々に、後ろ暗いことが全くありません、といわんばかりの態度で答えたピオニーに、これ以上追求できそうも無い。
釈然としない思いを抱きつつもジェイドは首を振って。
「いえ、そういうわけでは…すいません失礼します。」
ピオニーの部屋を後にした。
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マルクト軍には軍の特別機密として人身売買のオークションが存在する。
これは一般兵にはほとんど知られていない事実。官僚の、しかもごく一部の人間にだけ周知されている。
商品は兵士のカタログの中から幹部たちのリクエストによって調達する。もちろん調達とは誘拐のこと。
彼らはどんな手段を使ってでも商品を手に入れる。
誰がその品物を手に入れたかは最重要機密として堅く封印される。
たかがが一介の大佐がその秘密を探ろうとしたところで……。
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何だか色々申し訳ありませんorz
19歳が書いた18禁…。。。多分私が今まで書いた中で一番裏に置かなきゃ駄目な文だと思われ…笑
(最近エロ思考に走りすぎてどこまでが許されるラインなのかわからなくなってきたとかorz
マニアックプレイのオンパレードで、知らない方にはホント申し訳ない内容。。。orz
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2008/07/26 加筆修正 再UP
Special Thanks * Sara Fujimaki
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