|
BFF 〜 Best Friends Forever 〜 下
その日は奇しくも年度の最終日だった。後数分もすれば嘘の日になる。
あえてこの日を選んだ、わけじゃない…とは言い切れない。この日出た言葉は嘘か本当か、それは誰にもわからない、そうだろ?
深夜のリビング。ソファーにゆったりと腰掛けて、俺たちは向かい合っていた。
時計の音がやけに大きく聞こえる。
「俺と特別な友達になりたい?」
「なりたい」
「友人のままじゃ駄目なのか?」
「ああ」
「ふうん…最後のテスト。覚悟はできてんだな」
「ああ」
俺の目を見て深く頷く姿に、黒羽の本気を見た、気がした。
「じゃあ最後のテストだ。オメー俺に隠し事してねえか?」
「…」
「答えたくなかったら答えなくていい。ただし、その程度の友人ってことだ」
「………」
「……」
別に俺は答えを強要しているわけじゃない。それに、俺は答えを、知っている。
嘘を吐くやつが信用ならないとか、真実を言えないヤツは友達じゃないとか、そんなことを言ってるわけじゃない。
ただ、俺たちがこれから親しくなっていくには、知っておいたほうがいいこともある、そう思うだけだ。
「…俺は、怪盗キッドだ」
重々しく開かれた言葉に思わず息を呑む。こんなお遊びなのに、まさか本当に言うなんて思ってもみなかった。
「…」
「オメーは…大馬鹿ヤローだな。何で探偵なんかにンなトップシークレットをぶちまけやがる」
「何でだろうな、でもどうせオメーのことだ。知ってたんだろ?」
「まあな」
ただしあくまでそれは確信に近い仮定であって、確定ではなかったのに。本当にバカだ。
「それで、どうなんだ?怪盗とはお友達にはなれねえ?」
「バーロ。オメーは俺の親友だろ?」
まあ、今日がエイプリルフールって事を考慮したうえでこの言葉の意味を考えてくれ。
時計の針は丁度、零時半を指していた。
|