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はじめて
最初にそれに気付いたのはサボだった。
「なんか…硬くなってンだけど…」
そう言って振り返ったサボの今にも泣きそうな顔に、うとうととまどろみの中にいたエースは驚いて飛び起きる。
病気かもしれない、と青ざめた表情でつぶやくサボに、エースもつられて青ざめた。
「痛いのか?」
何が硬くなっているのか、どうして硬くなっているのか、聞きたいことはたくさんあるが、酷く不安そうなサボの様子に、ただ事ではないと自分の疑問はひとまず置いておく。どこが悪いのか知らないが、痛みの有無は重要だ。
「痛くは…ねぇ、けど…なんか変な感じ。」
眉間に皺を寄せサボが俯いた。エースも釣られてサボの視線の先を追う。
「……。」
サボの視線の先、彼が履いたズボンの股部分が何か指のようなもので押し上げられている。普通に考えればそこは。
「…ちんちん、だよな?」
「おう…。」
「そこって硬くなるもんなのか?」
「知らねえよ…起きたらなってた。」
「寝てる時にどっかにぶつけたとか。」
「そんなことしてたら絶対目醒めてるだろ!」
そこをぶつけた時の痛みを思い出して二人はヒッと息を呑んだ。
「と、とりあえず様子を見ようぜ。ズボン越しじゃわかんねえよ。」
エースの提案にサボは無言でうなずくと、恐る恐るズボンをずらしていく。
「パンツ邪魔だな。」
言いながらエースはパンツのゴムに手をかけると、硬くなったそこに触れないように注意しながら下げていった。
「なんか腫れてるな。」
「上向いてる…。」
ぽつりと呟いた二人の声は、絶望と困惑に満ちている。
「触ってみても平気か?」
「!…そっとだぞ、そっと。」
サボの言葉通り、エースは人差し指でそっと触れてみた。硬くて熱い、けれど人差し指の感覚だけではよくわからない。よく見れば薄く血管が浮いていて、いつもしわしわの先っぽからはピンクのつるりとした何かが少しだけ顔を出していた。
いつもとまるで様子の違うそこに心配になったエースは、いたわるように、傷つけないように手のひら全体を使って優しくそこを撫でていく。しっとりとも、カサカサとも違う、吸いつくようなサラサラしたような、なんだか不思議な触感に、そういえば誰かのを触るなんて初めてだとぼんやりと思った。
「サボ…痛くねえか?」
撫でた瞬間ピクンと動き、痛かったのかと慌てて手を離すと、先っぽからおしっことは違う、何かがぷくりと浮き出てきた。
「サボ…?」
返事がないことに不安になったエースがもう一度そこを撫で、そっと顔色をうかがうとと、苦しそうに眉を寄せ、震えながら息を吐き出す涙目のサボと目があった。
***
「懐かしいなー…」
サボがぽつりと呟くと、目の前のルフィが不思議そうな顔をして首をかしげた。
「何が懐かしいんだ?」
「いや、独り言だから気にすんな。それよりルフィ、気持ちいいか?」
「おう!これすげーな!ししし!」
無邪気に笑う弟にサボは苦笑しか返せない。目線を少し動かせば、ルフィの言うところの「不思議硬くなる現象」を解決するべく、弟を溺愛するエースが何やら奮闘中で。
恐らくこの行為が何を意味するのか理解していないであろう弟に、今後どうやって説明すればいいのやら。
ひと段落したら必ず一発殴ってやると、ルフィの股間に顔を埋めたエースの背中を睨みつけ、サボは大きなため息をついたのだった。
きっとそのうちサボも参加して兄弟丼するんだろうな、なんて妄想! ナチュラルにサボいるけど気にしたら負け
2011.06.11
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